2021年11月30日

前回のブログの続きであるが、ツアーの続きというのではなく、
欧米での酒にまつわる記憶を中心に呼び起こして記録する事にしよう。
前回書いた旅行の最初の国に戻るが、ドイツからの話となります。

日本時間の昼過ぎにJALとエアーフランスの共同便で関空を飛び立ち、
シベリアのツンドラ上空を経由してパリのシャルルド・ゴール空港まで十三時間程度。
到着地の時刻は、出発した日と同じ日の同じ昼過ぎの時間。
トランジットでドイツのデュッセルドルフに着くには夕刻となる。

丁度昼夜が半転したような状態となり、所謂時差ボケが生じるのであるが、
酒呑童子はデリカシーの欠片が微塵もないのか、幸い時差ボケにならないのである。
ただ一度だけ、ホロ酔い気分で飛行機で寝込んでしまい、
昼夜逆転で酷い時差ボケとなり苦しい思いをした事がある。

それに懲りて、ヨーロッパへの旅では、機内でひたすら飲み続けて、
絶対に眠らないという、時差ボケ封じ酒天童子戦法を編み出していたのだ。
ビールはトイレが近くなるのでワイン主体に、到着までまんじりともせず飲み続けるのである。

当然現地に着けば出来上がっているのだが、そこでもう一頑張りが必要となる。
ホテルにチェックインして現地スタッフと夕食を共にした後、早めにベッドに入れば、
旅の疲れでグッスリと寝入って、昼夜反転した時差がスムースに吸収される。

それで、すっきりと翌朝は目覚めて仕事に出掛けて行く訳であるが、
まあ、このブログでは仕事の話は目的が違うので、一気にすっ飛ばそう。
で、仕事が終われば、たいていは現地の日本人出向者と夕食に出掛けるのが常であった。
当時の会社は、デュッセルドルフから30kmほど離れた田舎町にあったので、
気の利いたレストランとなると、車でデュッセルドルフ市街まで出ることになる。

日本人の運転は、出向者の事故については日本本社がシビアだったせいか、まだ安全運転であった。
何度か現地のドイツ人の車に乗せてもらった事がある。
一度は若い営業マン。夜八時前。あのアウトバーン。

急加速したBMWの車体は、すっと路面に密着するように車高が低く沈み込む。
嘘かホントか知らないが、あちらの車はアウトバーンを走行するので、
日本への輸入車とはサスペンション辺りの仕様が違うと現地出向者の話だったような。

速度制限は無い。スピードメーターを見れば、なんと230㎞。
助手席に座っていた童子は、流石にビビった。
前の記事にも書いているが、童子の運転速度最高記録は知床半島で警察の御厄介になった140㎞。
230kmとは、雲泥の差である。しかも夜の暗い道で。

根が小心者の童子は、とたんに怖くなって、もう少し速度を落としたらと運転手に話しかけるが、
ドイツ人の青い眼の若者は、片手運転で携帯電話を掛けながら、童子に見向きもしない。
童子は、冗談ではなく、両足を助手席のシートに踏みこらえた状態で、
ホントにチビリそうになった(ちょっとチビッたかも知れない)記憶がある。φ(.. )

以来、アルコールが入ってハイな気分の時以外は、
アウトバーンでは、ドイツ人運転の車で助手席に乗るのは止めたのである。

これも、出向者の話で嘘か本当かは定かではないが、
欧米人で青い目の人種は、アジア人と違って虹彩の色素が薄いので、
夜間には光をアジア人より多く吸収するので良く周囲の状況が見えるらしい。
逆に昼間は光を吸収し過ぎて眩しいのでサングラスをする人が多いとか。


また、休日に市街地に出掛ける時は、タクシーを拾って移動していた。
ある日曜日、ドイツ人には珍しく気さくで陽気な個人タクシーのおっちゃんに乗せてもらった事があったが、
雨がシトシト降っているアウトバーンで、ハンドルを切った時に後輪がびっくりする程スリップした。(( ;゚д゚)
幸い、周辺に他の車がなかったので、大事には至らなかったが、
運ちゃんは毎度の事って顔で、なんとも思ってない風であった。

到着して、ふと後輪を見れば、坊主の頭のようなツルツルなタイヤ。(; ̄Д ̄)
よくもこんなので走ってるなというような、日本ではありえないタイヤの摩耗度。
以降、タクシーに乗るときは、まずはタイヤを確認するようになった。

何度かアウトバーンの事故を見た事があるが、小雨の日が多かった。
流石に200kmを優に超すようなスピードの事故は凄い。
激しく前後で追突したのか、車体の長さが綺麗に半分になっているような事故も見た。
一発で御陀仏であろう。

童子には、とうてい運転できないアウトバーンであったが、
だが、もしも出向者の立場で赴任していれば、依存症は日本以上に進行しただろうから、
酒の勢いで300kmくらいクリアして、そのまま彼の世に飛んでいってただろうなあ。(´・ω・`)

(続く)

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ctxt0475ctxt0475 at 07:16│コメント(6)

この記事へのコメント

1. Posted by 海道   2021年11月30日 20:57
5 楽しく拝見させて頂きました。
アウトバーンの話、会社の昼休みに自分のデスクで読みましたが、気がついたら足をふんばってました。ご無事で良かったです。
2. Posted by 酒呑童子   2021年12月02日 09:56
>>1
海道さん
こんにちは。
海外は国によって交通事情は様々です。
以前いた会社でも、例えば、アジアではシンガポールとマレーシアは日本人出向者は運転可能。欧米も大半可能。
タイやフィリッピンと中国は禁止でした。
なんとなく、交通マナーがわかると思います。

3. Posted by のんたん   2021年12月07日 15:07
5 寒くなってきましたね
お元気にされてますか

私も、だいぶ落ち着いて来ましたよ。先月のコメントで童子さんが言わんとすること、よくわかり、ありがたかったです。今は、ただ日常を淡々とこなすことで苦しみを癒していこうと思っています。

童子さんって、色々な外国に行かれ様々な経験もし、それがイヤミでもなく私から見たら、カッコいいなと感じます。観光ではなく、お仕事で行くから普通ではできない経験ができるんですよね、それが、たとえ危険を伴うことであっても、だからこそ、貴重な思い出になるのでは?と他人事だから思えるのでしょうか(笑)
またの更新、お待ちしています
4. Posted by 酒呑童子   2021年12月08日 12:31
>>3
のんたんさん
こんにちは。
だいぶん落ち着かれたとの事、何よりです。
コロナも一旦収束して、なんとか感染は免れましたが、
先月の人間ドックの検査でひっかかりました。
来週、CTの精密検査を受けることになりました。
長年の不摂生の賜物ですかね。。。
もう少し生きないといけないのですが。。。

5. Posted by るんるり   2021年12月08日 12:52
5 こ、こわい...!!!(;゚Д゚)

いつも読んでて思いますが、
要所要所で危機から脱しているような...

本当に運の良いお方ですね!!
6. Posted by 酒呑童子   2021年12月10日 12:35
>>5
るんるりさん
こんにちは。
お陰様で、幾度の危機を悪運で逃れてきたようです。
ただ、いつまでも悪運が続くとは思えず、
君子危うきに近寄らずの構えが必要な齢になってきたと感じる此頃。
そろそろ徳を積む志が重要かと(笑)

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