2021年08月31日


実は、童子は二十歳代前半は、かなりの小説通であったのだ。
今と違って娯楽の種類も乏しく、インターネットもなかった時代。
小説は、一人で楽しめる金のかからない暇潰しの一つだった。

時間があれば、近くの映画館にも良く通ったものだ。
フーテンの寅さんなんかを見に、京都は洛北の一乗寺か高野あたりにあった京一会館とか、貧乏学生相手の映画館のお世話になったものである。
(祇園会館だったかも、もう無くなってるだろうなあ。φ(.. ))

また、余暇で初めた麻雀にのめりこみ、少ない稼ぎながら、学生時代の1年間麻雀の稼ぎで生活してた事もある。
阿佐田哲也や小島武夫に憧れて、暇なときは下宿のこたつ台の上に雀牌をぶちまけて、積み込みと盲牌の練習をしていたものだ。

勿論、雀プロまでは行かなかったので、せいぜい学生相手に、巻き上げているレベルなので大枚には至らないが、それでも当時で月数万円の稼ぎはあったので、食ってはいけていた。

ただ、なかなか勝ち逃げは出来なくて、場が終わらずに、雀荘から出れなくなって、貴重なものを失ったり、人生を棒に振った事も何度か。。。(T_T)

思い出せば、学生時代は様々なアルバイトをやったものだ。           
コンサート会場の設営、建設現場の危険な作業。
京都らしい宮大工のお手伝い。これはきつかった。
ヤマザキパンの深夜作業。夜食のパンは食い放題。(そんなに食えるかい!)
などなど。

しかし、単価が良いのは、やはり家庭教師。肉体労働の3倍はあったような。
一度は、阪急沿線のとある駅前歯科病院の息子を教えていたが、これは実入りが良かった。
京都洛南中学の劣等生。

できがわるかったが、必死に教えれば、それでもたまに小テストで満点を取る。
そうすると、美人の30代後半の奥さんが満面の笑みを浮かべて、帰り際に、そっとのし袋の金一封(万札)を渡されたものだ。

また、週2回の授業だが、食事付きだったのである。
授業前15分早く歯科病院に伺って、病院脇の自宅勝手口から入るのだが、その美人の奥さんが、居間で手料理を準備して待っていてくれているのだ。

なにか、AVのシーンの妄想が。。。(; ̄Д ̄)
おっといけない。
しかし、これも、麻雀のお蔭で、勝ち逃げできない修羅場に陥っては何度ものドタキャンが祟って、1年でクビになった。(TДT)

悪い事は続く。その年の大学の期末試験の日。
学校に早く着いて、試験開始には大分時間があったため、学校近くの雀荘で1局構えたのであるが、童子が勝ちすぎて、勝ち逃げ出来なくなってしまったのだ。

結局試験を受けられなくて単位が足らず、その年は留年することになったのである。
麻雀で1年食ったおかげで、1年留年。
いっそのこと、麻雀プロになろうと思ったが、やはり止めて良かった。


ちょっと脱線した。小説の話であった。

留年に懲りて、麻雀セミプロ生活も1年で卒業はしたのだが、こんどは、太宰や無頼派なんかに影響されて、同人雑誌を刊行して主幹となった。
無頼派を気取って昼間から酒を飲むようになり、アホさ加減が祟ってアル中になったのかも。

今度は、同人雑誌にのめりこみ、季刊4部で廃刊。また1年留年。
なんとか6年かかって学部を卒業し、社会に出たものの、小説を読む余裕はなくなってしまったが、酒を呑む余裕は無くなるどころか。。。

そして数十年の幾星霜を経て、今やインターネットの時代。
YOUTUBEや無料動画なんかで、いくらでも時間が潰せる。

電車の中を見渡せば、向かい側の座席の9割方は(時には10割)スマホしか眼中になく一様に首を垂れた不気味な光景。
日経新聞を読んでいるサラリーマンもほとんど見かけなくなった。
ましてや、小説本読んでる人も滅多に見受けない。
メディアが変わったのである。

という童子も、同じ穴のムジナ。
スマホとタブレットとPCが人生の友人みたいな生活。
つまらない番組しかないテレビもほとんど見なくなった。

たまに本を読むとて、『10万円の元手で1億円・・』とか、『秒速で云億円稼ぐ・・』だとかのエセ財テク本とか、まあ、およそ、そういう役に立たない本ばかりであったのだが・・・

と、先月何を思ったのか、在住市の中央図書館に行った折に、ふと手にした1冊。
知りもしなかった小説家。◯田△樹。
名前も聞いたこともなかった。
おまけに、酷い長編である。

何十年振りかに読む長編小説。1冊450頁以上ある。これが上下刊。
アル中では読破する事は、なしえない芸当である。
集中力が続かない。
アル中真っ盛り時代は、活字を読もうとする気力や集中力すら薄らいでいたと思う。

断酒8年目で、ようやく長編が読める忍耐力が復元されたようだ。
なんとか、長編の活字でも拾える余裕が生まれたようだ。

そして、それだけではなかった。
積年のアルコールで空白に近く抹消されたと思っていた数十年の人生の記憶が、小説の中の人物像や風景光景、時代考証などに刺激されて次から次に蘇って来るのだ。

大志。青春。恋。挫折。後悔の念。懺悔の念。。。。。
様々な玉石混交な感覚が混ざりあって、妙に脳が活性化されて来るのだ。

物語のストーリーの面白さも勿論であるが、場面場面のシーンを脳裏で映像化し感情移入しているうちに、自己の過去現在の状況とオーバーラップしてきて、小説自体を楽しむのではなく、ある意味、自分を見つめ直す作業に陥ったようだ。

この奇妙な感覚を維持したくなって、毎週図書館に通い詰めた。
この2週間ばかりで長編8冊。
勿論、小説三昧だけでなく、仕事もしている。
えらい速さで速読できるようになったのだ。

こういう小説読書の効能があったのかと、初めて思い知らされた。
20代とは、同じ物語でも、その捉え方が変わっていたのだろう。
数十年間の”失われた大陸(?)をとりもどせ!”みたいな感覚。

いやこれで終わってはあかん。
死ぬまでの残された人生。
もうひと花咲かせるぞと、
今回は花咲かじいさんになった童子は密かに呟くのでありました。φ(.. )

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ctxt0475ctxt0475 at 21:23│コメント(4)

この記事へのコメント

1. Posted by のんたん   2021年09月02日 11:59
5 まだまだ残暑は厳しいですが、お元気でお過ごしでしょうか?

読書家の童子さんだから、文才があるんだと納得しました。
それと麻雀、主人と付き合っている頃、誕生日もクリスマスイブのイベントもなく、麻雀を優先され、嫌だった。仕事だけは真面目に取り組んでいたから、まだ許せたけど、結婚後、給料から労働金庫の借金が天引きされていて、麻雀で作った借金だったので大ゲンカした思い出があります。公務員の共働きなら、余裕がありそうなのに、若い頃は給料も安いし、生活が大変でした。今は、麻雀は、すっかり辞めて他の趣味に夢中になっていますが、、
思うに童子さんは、人間的には、とても魅力のある方だと思いますが、結婚生活は向かないタイプだったんでしょう、そんな童子さんを包容力をもって許し、自由にさせてあげられる妻はなかなか居ないし、、でもお酒を止められたのは、素晴らしいことでした。そこを含めて、童子さんは、やっぱり素敵な人だと思います。これからも、関西での学生時代のこととか、色々、お聞かせ下さい、懐かしい思いがします。
2. Posted by でるでる   2021年09月03日 22:14
童子様 いつも楽しく拝読させていただいております 先日過去一の離脱を経験しました 幸いにも48時間ほどで回復しましたが 全身ガタガタ震え顎関節までも歯がカタカタ震え立位も困難で部屋の隅に座っていることしかできませんでした 当然コップすら持てません 寝れば幻聴幻覚が一晩中 幻聴がない時はひたすら悪夢 さすがに今のままではあと10年は生きられないと痛感しました 今まで今度こそ止めると幾度も思ってきましたが今度こそは止めたいです 2日で増量した体重も5kg減 今度こそ止めたいです 現在はこんな有様ですが童子様ほどではないにせよ自分も学生時代は色々ありましたが日々努力で楽しく充実したものでした あの頃今のようなネット社会であってもよかったなあとは思いもします パソコン持ってる人は僅かで大学図書館のもの利用したものです 今は本当に便利な時代ですね これほど社会が激変するとは それはそうと今度こそ一日断酒で励み子供達の成長を少しでも永くみられたらた思います これからも童子様のブログ楽しみにさせていただきたいと思います
3. Posted by 酒呑童子   2021年09月04日 08:18
>>1
のんたんさん
こんにちは。
麻雀も賭博性の高いルールでレートが高くなるとギャンブルに近くなりますが、適正なルールだと、運6分・技量4分的なゲームで頭を使い、結構奥深いのです。
しかし、仕事や家庭に弊害を及ぼすようになると、まずいですね。
なので、私もすっかり辞めました。

本文にも記述しましたが、結構若かりし日の場面を思い出したりして、なんと未熟だったなあと、この歳の今になって一人で赤面することしきりです。
といって、今でも、まだまだ未熟ですが。。。
だから、精神年齢が若いのかなあ。
不思議と歳を取ったという実感がないのですね。
ついぞ、ちょっと前まで30代だったような感覚。
まあ幸せな人間ですね。という事で、良しとしておきましょう。(笑)
4. Posted by 酒呑童子   2021年09月04日 08:33
>>2
離脱が起こりましたか。
私も、意識をなくして痙攣を起こして(見た目は、てんかんのようだったらしいです。)アル中専門病院に担ぎ込まれた経験があります。手も体もブルブル震えて何も持てない。幻覚もなにも現世との区別が難しくさえありました。
記憶も吹っ飛んでおりました。
気づいたら、精神病院のコンクリート壁と鉄格子の隔離室の中。
底付きですね。
私は、底付きは、1回で終わりませんでした。
でるでるさんも、今回は一念発起されたほうが良いように思います。
依存症からの脱却は、今の医療科学のレベルでは、完全断酒しかなさそうです。

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