2015年07月17日

(前回からの続きです)

「おんどらりゃあ!それで済むと思うてんのか?」

「いや。その。あの・・・・」万事休すか。

それで済まないとは。。。
やっぱり、童子のいたいけな小指の二三本(三本もないけど)でも献上せねば
収まりが着かぬのかと、小心者の童子は、ちびりそうになっていた。(;´Д`)

その時です。
バタンと入口のドアが開いて、店のママが飛び出して来ました。
ママは、そう若くはなかったけれど、すこし飯島愛に似た感じの韓国女性。
(水商売には、あの手のタイプ、結構いるのですね。
 ただ、飯島愛さんは、今は亡き御方。お悔やみ申し上げます。)

「酒呑童子さん(ホントは本名)は、大事なお客だから、手を出したらアカンよ。」
と叫びながら、飯島愛さんは、ヤクザ(竹内力)の袖を引張って、路上の片隅で何やら耳打ちした。

「にいさん。気~つけんとあかんで。」
と言い残して、竹内力は肩で風を切るように、店の内に戻って行ったのだ。

飯島愛さんは、呆れた面持ちで、
「あんた。きいつけや。この辺は、ああいうの多いんやから。」

童子が胸を撫で下ろしてテーブルに戻ると、頼んでもいないビールが運ばれてきた。
「たのんでないんだけど・・・」
格子の横から、難波金融伝の萬田銀次郎っぽく、竹内力が振り返り、
「にいちゃん。プレゼントや。がんばってや。」

一体全体どうなったのであろうか。
う~~ん。
(ちなみに、本物の竹内力は、俳優の前は、元三和銀行淡路支店の行員だったらしい。)


実は、童子は、店に入った時、客が居ないので手持無沙汰のママの飯島愛さんと、
世間話をしていた際に、愛さんに、エルメスのキーケースを一つ差し上げたのだった。
市販価格8万円くらい。仕入値は、25人民元(当時のレートで¥380)。
もちろん本物であろう筈がない。鴈物である。

もう現在は場所は移転してしまっているが、
昔、上海の3大繁華街の一つ、淮海(ワイハイ)路の一角に、
襄陽(シャンヤン)路市場という800店を超す偽物屋が集合した広大なエリアがあった。

童子は、上海に行く度に、その襄陽路市場でショッピングを楽しんでいたのだ。

何も知らない日本人・欧米人は、言い値のままか、多少の値引きで
嬉しくなって喜んで金を払い帰ってゆくが、童子は、ちと年期が入っていた。
何度も値切るうちに、だいたいの原価が掌握できていたのだ。

大抵のブランドは、小物雑貨で25元、財布は35元、時計は25元といった所が、
ほぼ、原価+最低水準の利益だとわかった。

であるので、言い値など聞かずに、最初から、店の電卓を掴み、25元と打ち込む。
相手は、童子が、”その道のプロ”と思ったのか、
しょうがないなあ、と言ったあきれ顔で、「ほらよ。」って、品物を放り投げてよこす。

ルイビトン、グッチ、コーチ、シャネル、ブルガリ、フェラガモ、
ローレックス、オメガ、カルチェ、なんでもありである。

童子は、一時は鴈物に凝って、靴はバリー、スラックス・ジャケットはバーバリー、
ネクタイはハンティングワールド、レイバンのサングラス、腕時計はオメガ、
靴下はラコステ、ブリーフはプラダ(?)(ある筈ない。ホントは平和堂のセール品)と、
頭から足の先まで、偽物で身を固めていた。

生身の本体も、アル症状態が進化してゆき、本物の童子でない
偽物に変貌していたのかもしれないなあ。。。(´・ω・`)

ある時、帰国時に配る御土産の数量分を仕入れた後で、
待ち合わせていた中国人の友人に見せびらかした所、
「ところで、お釣りを見せてみろ。」と言われた。

150元(時計1個、キーケース5個)の買物で、200元払ったので、
丁度50元札がポケットに残っていた。
その札を取り出して、友人に渡すと、指で撫でながら透かし見て、

「やられたね。」

「えっ?」

「偽札だよ。記念に取っておいたら。」w(゚o゚)w オオー!

流石、上海一の偽物市場である。お釣りまで偽物とは恐れ入った。(; ̄Д ̄)


ところで、今回は偽物研究家となった童子の贋物屋白書を披露しよう。

店頭にあるものは、大概は素人でも、ちょっと怪しいのではと思うレベルの品。
ただ、ド素人さんにはわからないかも。
しかし、ルイビトンなどは、作りがしっかりしてないからすぐわかる。
これをC品という。

本当のルイビトンはあるかい。と言えば、
大抵の店では、店の奥の小さいバックヤードから、こっそりと出してくる。
値段は、C品より大分嵩む。
出来映えはグレードアップしてるが、そのブランド通の人にはわかる。
これが、B品である。

ホントの本物はないのか。と尋ねれば、怪しげなオジサンが現れ、
店から出て通りを隔てた路地裏にある薄汚いビルに案内される。
怖々と狭い階段をあがり、秘密の部屋みたいな所に通される。

中は、アウトレット風に陳列されたブランド物がびっしり。
値段は、更にアップするが、それでも本物の数分の1程度。
これは、わからない。その辺の百貨店の店員くらいでは真贋鑑定できない。

一説によれば、ブランド品工場を退職した職人を引き抜いて技術を盗むのだとか。
だから、日本の百貨店などに並んでいるセレクトショップあたりでは、
こういうものが紛れこんでいた事もある。今でもかも。
これが、A品。


話は外れたが、そういう蘊蓄(うんちく)を披露しながら、
童子は、そのC品のエルメスを、飯島愛さんに1個プレゼントしたのだ。

愛さんは、じっとエルメスを見つめていたが、
目を輝かして、C品は要らないから、A品を仕入れてくれないかと言う。
店の客筋で捌くから、利益はフィフティ・フィフティで行こうと仰った。

とりあえず、ビトンのなんたらとかを10個くらい、
次回中国に行った際に持って帰ってくれないか、との事。

日本での価格がウン万円として、半値で売るとして、
利益は・・・と計算していたが、酔っぱらった頭でも、
いや、それは、やはりヤバいよ。お縄にはなりたくない。飲めなくなる。

「うん。考えとく。」と適当な返事を返しておいた。


その件が、あったので、飯島愛さんにとって、童子は金づるになるかもしれない、
”大切なお客さん”と映ったのであろう。
どちらにせよ、危機一髪の局面からは、鴈物のエルメスで救われたのだ。

それ以降、そのコレアンバーのあった東九条界隈に、童子が姿を見せる事はありませんでした。

諸兄諸姉の皆様。旨い話に乗せられてヤバい橋は渡らぬよう御注意を。(。・ω・)ノ゙


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この記事へのコメント

1. Posted by ケイシ   2015年07月17日 22:04
いつも拝見しています。
どうなるかとハラハラしていましたが、
童子さん怪我一つ負わずにすんで良かったです。今なら暴対法でその粋のいいチンピラもママさんも捕まっていましたね。
昭和の匂いがしました(笑)
2. Posted by an   2015年07月18日 04:43
おはようございます。
暴力を免れただけではなく竹内からビールを奢られるというのは間違いなく380円のエルメスに救われましたね(笑)
竹内もこれは儲け話だ!痛めつけてはいけない人だと
判断したのでしょね。
それにしてもやはり童子さんは強運の持ち主ですね。
過去ブログ記事のあちこちでそれは証明されていますが
3. Posted by めたぼ侍   2015年07月18日 11:17
凄い展開ですね。偽物のエルメスが助けてくれるとは、、、、。それにしてもお詳しいですね。
4. Posted by 昼の月   2015年07月18日 14:28
こんにちは。面白すぎますね!
本当に、童子さんのブログはタメになります(笑)。

 私は、返還前の香港に遊びに行ったことがあるのですが、友達と行った個人旅行の香港は、エキサイティングで本当に楽しかったです。

 で、そういうたぶんまがい物の露店に掴まったことがあるのですよね。
若い、アグレッシブなお兄ちゃんの
マシンガントークに掴まって、思わず
買おうかと手が伸びたのですが、
まさにその時に、当局の手入れが入って、
そのお兄ちゃんたちの撤収の早さと言ったら(笑)、
今でも、目に焼き付いております。

 良かったですねぇ~。
どうであれ、ご無事で。
 童子さんは、やっぱり人好きがするのだと思います。

 ところで、「平和堂」って?
私は、ここで、結構反応してしまいした(笑)。

5. Posted by 酒呑童子   2015年07月18日 19:26
ケイシさん
ありがとうございます。
お陰様で何とか五体満足でおります。
昭和の匂いですか。
そういえば、九条界隈の人種は、そういう感覚があります。
実際は、平成。10年も経っておりませんが。
まあ、ともかく良かったって事でした。この時は。。。
6. Posted by 酒呑童子   2015年07月18日 19:37
anさん
こんばんわ。
皆さん、「しのぎ」に困ってるんですね。

確かに、今生きてる事自体が、
強運というか悪運というか、
数年前の状況を鑑みれば、
そういう気がしますものねえ。

今後とも、ご支援お願いいたします。

7. Posted by 酒呑童子   2015年07月18日 19:48
めたぼ侍さん
今回の件では助けてくれましたが、
そうばかりでもないのですね。
しかし、偽物といっても、精巧な物を作りますよ。
会社ごと偽物って事件もありました。(日本の大手電機メーカーN社の)
8. Posted by 酒呑童子   2015年07月18日 21:08
昼の月さん
こんばんわ。
実は、香港はもっと酷いのですよ。
政府公認のDUTY FREE SHOPで、
店員に、もっと安いのはないか。と尋ねると、
近くのホテルの一室に案内され、
ベッドの上やら所狭しと鴈物が。
あまり安く思わなかったので買いませんでしたが。
鳩マークの平和堂は、なつかしいですね。
関西人、特に滋賀・京都近辺県あたりの人しか
知らないようですね。
9. Posted by でるでる   2015年07月27日 16:31
童子様いつも楽しく拝見させていただいております 童子様は生き抜く術に長けていらっしゃるというかsmartですね 温かいお言葉頂いたにも関わらず連続飲酒となっています 以前程ではないにしろ公園出勤で過食過飲でvomitting 辛うじてブラックアウトだけは逃れ家庭生活?を演じております 妻子のことを考えると(結局は自分のことだけ アルコールのことだけを考えているのかもしれませんが)離婚した方がよいのでは 自力回復が難しいなら入院しかないのでしょうか 妻の家柄的にもこのような案件での入院だと離婚かと どうやら年齢のせいもあるのか真似事しても脳底動脈もしっかりしているのか意識が飛びません 迷惑極まりないコメントすみません ここにしか自分の気持ちを現せません すみません
10. Posted by でるでる   2015年07月27日 16:42
童子様 これからはなるべくブログに沿ったコメントを書ければと思います すみません どうにもこうにもですみません
11. Posted by 酒呑童子   2015年07月27日 22:12
でるでるさん
こんばんわ。
「生き抜く術に長けている」とは、誤解ですね。
今の貴殿よりも遙かに酷い状態から抜けられず、
抜け出ようという意識もなく、
最後の最後に運よくブログに出会っただけです。
私の経験からすると、
でるでるさん、このままでは、
遅かれ早かれ、何らかの”底をつく”事になります。
離婚は何時でも出来る事。
離婚すれば、更なる底尽きが待ち構えております。
妻子に打ち明ける。医師に頼る。薬に頼る。
もしくは、自助会に繋がる。
どれも、私には出来ませんでしたが、
それしか手立てはありません。
それとも、断酒ブログでも書いて見ますか。

12. Posted by でるでる   2015年07月29日 03:28
童子様 ありがたいお言葉です 妻子に打ち明ける。医師に頼る。薬に頼る。
もしくは、自助会に繋がる。どれかにすがらなければでしょうか 妻に言えられれば 本日も昼から呑みようやく頭回るようになってきました 少しでも進展あれば(なくてもでしょうが)またコメント投稿させていただきたく思います 今後ともよろしくお願いいたします

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