2014年12月08日

以前の記事『酔っぱらい事故(1)』で、酔過で大怪我をした出来事を羅列しましたが、
実はもう一つ忘れていた事故があったのです。
昨夜湯船の中で、ふと、右手の甲に微かな傷痕が残っているのに気づきました。

そうか忘れておったなあ。と、その日の出来事が鮮烈に脳裏に蘇りました。
その情けない出来事を忘れないように追加記録する次第であります。

当時、童子は、京都東映太秦映画村近くの嵐電沿いに住んでおりました。
三条通りから伸びる家の近くの街道はやたらと狭く、京都バスと市バスが細い道を、
運転手の職人技で、からくも擦れ違って行き来しておりました。
一度、市バスに乗っていて、運転手がハンドルさばきを誤り、
民家の軒をフェンダーミラーで掬くってしまった事故に遭遇した事があります。

その日は、真夏のまっさかりの暑い暑いよく晴れた休日でした。
前夜も遅くまで飲んでおり、昼前に起きたけれど、二日酔いの頭が重くて、
寝起きの酒をやろうにも、昨夜の酒瓶は空っぽになっておりました。

まだこの頃は、家で堂々と朝酒をやるには幾分かの呵責を感じ、
嫁の顔色もそれとなく窺う程の、依存症真っ只中には少々間のある、
多少は人間の理性が残っていた時期でした。

しかし、その日は起きるやいなや、外で飲む算段をし始めていました。
その算段とは、家から数キロ離れた大覚寺の近くの池に、ザリガニ捕りに、
当時まだ幼稚園も行っていない年端の娘を連れ出す事でした。
ザリガニ捕りという名目で、酒を野外で飲むための口実だったわけですね。

自転車の後ろに幼少の娘を乗せて、目的の大覚寺へと向かいますが、
自宅から出発すれば、忽ち妻の監視の目も無くなって、
まずは、家を出て一番近い酒屋に向かい、一杯ひっかけます。
行く先々の酒屋や自販機を梯子しながら、小一時間程度の道程でありました。

ようやく、ザリガニ釣りでにぎわう池に到着した時には、
すでに数本のビールやらなにやらを空けておりました。
途中で酒の肴に仕入れた、スルメの欠片を糸に結わえて池に垂らせば、
ザリガニさんは大好物と見えて、次々に釣果は上がって行きます。

童子もザリガニ同様、スルメを齧りながら、アルコールもたらふく浴びて、
2-3時間遊んでおりましたが、酒も無くなり、娘も飽きてきました。
ザリガニ釣りに本当に行ってきたんだという証拠品として、
釣った獲物の中の数匹の威勢の良いやつだけをビニール袋に入れて、
いざ家路に向かおうとしました。

しかし、行きは良い良い帰りは怖いとはこの日の事でした。

酔いが回って、よろよろと、歩道もない狭い街道をペダルを漕いでいた時、
後ろから、突然クラクションが二度三度けたたましく鳴りました。
振り返ると京都バスが嵐山帰りの観光客を満載して近づいて来ております。

見れば、前方には道に張り出したコンクリートの電柱が行く手を阻んでおります。
電柱の右側を回って進もうとしましたが、バスが近づき接触しそうな危険を感じ、
止まって行き過ごせば良いのですが、酔いで横着になっていたのか、
電柱の左側の民家の塀との狭い隙間をなんとか抜け切ろうとしたのです。

しかし隙間を抜ける時によろけ、ハンドルを握った右手にズキッと痛みが走った瞬間、
目の前があっと言う間に真赤な景色に染まったのです。(゚Д゚≡゚д゚)エッ!?
何が起こったのが良く理解できず、慌てて自転車を止め、眼鏡を外して見れば、
電柱に看板か何かを止めてあった金具の鋭い先端がはみ出しており、
それを右手の甲にひっかけた事がわかりました。

結構太い動脈を損傷したらしく、酒で血の巡りが良くなっていたのが手伝って、
噴水の如く噴き出した血液をまともに顔面に浴びたのでした。
メガネに着いた血を拭ってようやく事態が飲みこめたのです。

右手の甲からは、びっくりする程の勢いで血が噴き出しています。
動揺した童子は、とにかく救急車だと思いましたが、携帯電話の無い時代の事です。
公衆電話を捜そうとしましたが、見当たりません。

前方に目を凝らすと、数十メートル先に太秦警察署(今は右京署らしい)の表示板。
やっ。助かった。これだこれだ。(´▽`) さすが、市民の味方。(こういう時だけ神頼み)

自転車を警察署の入口に勢いよく止め、異様な事態に泣き始めた娘を抱えて、
正面のドアを思い切り開けて、走って入り込んでゆきました。
娘の顔や衣服も返り血を浴びて、赤く染まっておりました。

「すみません。救急車を・・・」と言おうとする前に、
正面玄関から走り込んで来た血だらけの男と
これまた血だらけの泣き叫ぶ幼児に、ただならぬ気配を感じて、
居合わせた警察官たちは、非常事態が発生したと勘違いしたのか、
腰に手をやり、臨戦態勢の構えを見せたように感じました。

ヤ、ヤバい!(; ̄Д ̄)

「いや、いや、違うんです。事件じゃあありません。怪我をしただけです。」
酒臭いけれど、犯罪者ではないことを説明するのに一苦労した記憶があります。

やっと状況を理解した警察官が、黒い受話器で119番を回してくれました。
しかし、その日は事故多発日であったのか、すぐ近くに消防署もあったはずですが、
なぜか出払っていて、ちょっと時間がかかりそうだと告げられます。
子供好きな気の良さそうな警官が、娘をあやしてくれ、やっと泣きやみました。

差し出された丸椅子に坐って待つ間も、ドクドクと血流は止まる事無く、
警察官が救急箱から取り出してくれた特大の脱脂綿も、
あっという間にズクズクの状態になってしまいます。

気の弱い童子は、もしかして失血死ってこんな状態の事では、と考えが過り、
ザリガニを取り出したビニール袋に脱脂綿ごと手を突っ込み、うなだれておりました。(T_T)
今思えば、警察の廊下は、血糊と蠢くザリガニで顰蹙ものだったのかなあ。

もうこのまま、警察署であの世に行くのかなあなどと思案しつつ、
10分も20分も経ったように感じた時、ようやく救急車が到着し、
白い服を着た隊員が近づいてきて、童子の状況を一目見るや、
「だめじゃないか!手を挙げろ!」と、
うなだれて椅子の下に左手で庇っていた右手を頭の上に持って行かされました。

ホールドアップの状態です。
(「いや、犯罪者ではないのです。」と言おうとしたとき)
「心臓より高い位置に傷口を持って行かないと、血は止まらないんだよ。」
と救急隊員。

隣で見ていた警察官逹が、「な~るほど」と大きく感嘆の声を挙げました。w(゚o゚)w
ドアホ!(゚皿゚メ)
警察官にも、射撃訓練や逮捕術だけでなく、初歩的な人命救助の教育をさせろ!
と怒った記憶が蘇りました。


結局、救急車で搬送され、病院で10針も縫う大怪我でありました。
それ以降、数十年の人生において、いくら酔っ払ってヘベロケになろうと、
電柱と塀の隙間だけには二度と近寄らない童子でありました。(´・ω・`)

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この記事へのコメント

1. Posted by でるでる   2014年12月10日 16:25
子供と出かけて‥思い当たる節あります 自分が嫌で嫌で仕方ありません 精神面で上司にもご迷惑心配されました やや状態が進行しているのか 苦しい無様な有様です
2. Posted by でるでる   2014年12月10日 16:27
童子様のようではなくちょいちょい飲んでしまいます 脇目も振らず勉強仕事と邁進してきました 今があまりに無様で
3. Posted by 酒呑童子   2014年12月11日 20:40
でるでるさん
こんばんは。
拝見するに、だいぶ進んでいらっしゃるように感じます。
苦しいのであれば、駆け込む処を見つけねばなりません。
この病気、進めば進むほど、自分ひとりで
切り抜ける事は、なかなか困難になります。
決断は早められた方がよろしいかと。
4. Posted by puppy   2014年12月14日 21:28
童子さん、
前に「断酒の試み」ブログを書いていてブログを書くのはやめたpuppyです。
本日、断酒をはじめて1年になりました!なんと、断酒1年をむかえました。
10ヶ月目ぐらいからは、断酒をしていることも忘れる日々で、断酒ブログも訪問しなくなるほどでした。日々忙しくジョギングはつづいておりませんが、お菓子作りにはまり(これ、理科の実験のようで、なかなか良いストレス解消ですよ)でも、ふとってしまいました。
1年前までの切り抜けられない日々は、きっと大切な助走だったのだと思います。その日々の失敗(スリップ)で学ぶことは多くて、断酒継続のきっかけや、ヒントを体得していったのだと思いました。生意気なことを書いてすみません。
童子さんの背中を見て、これからも断酒を走り続けたいです。
5. Posted by 酒呑童子   2014年12月14日 23:39
puppyさん
お久しぶりですね。
お元気そうで、なによりです。
断酒、1年続きましたか。
本当におめでとうございます。
私も、なんとか頑張っておりますが、
ジョギングを3か月さぼって、ケーキ三昧をしていたら、
危うくリバウンド気味となり、先週からリスタート。
それでも100分走れ、久し振りの爽快感。
酒の無い生活の心地よさを極めて、お互い頑張りましょう!

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