2014年11月01日

むかーし、むかーし、童子が、まだ小学校高学年の頃の事です。

世の中には、本人が学歴に恵まれなかったせいなのか、
やたら自分の子供の勉学に過剰な期待をする親御さんが、
昔も今も多々見受けられます。

童子の親も、それほどではないにしても、ご多聞に漏れず
同学年の従兄の親(同じ穴の貉)と申し合わせて、
従兄と一緒に塾もどき所に通わされました。

とは言っても、人口僅かな昔昔の田舎町。
当時は塾などというビジネス産業は片田舎には進出しておりません。
学校の先生が安月給の糊口を凌ぐため、自宅で生徒を集め、
学校終業後に、こっそりと商いを行っていたものです。

童子が教わったのも、通学していた小学校の先生。
三十代後半の独身のうだつが上がらぬ男性教員でした。

先生は、小学校近くの古い民家の二階に下宿しておりました。
六畳の畳間ひとつ。生活用品は布団と炬燵くらい。
であるから、唯一ある家具の炬燵を囲んでの授業で生徒数は3名まで。
(麻雀と一緒ね。φ(.. ))

少人数精鋭主義の英才教育かと思いきや、
与えられた参考書の問題をひたすら一人で解くのみで、
回答も、参考書の刊末にある回答集を見て、
生徒が答案を交換して、生徒で○×をつけていきます。
先生はというと、鼻くそをほじくりながら新聞に目を通してました。
完全にセルフメイドの塾です。

それに加えて、塾の授業のある日に二階の間に上がっても、
先生は学校はとうに出ているのに、下宿には帰っていない事も多かったのです。
ただ、先生不在でも大勢に影響なく、生徒は黙々と自習するのみでした。

自習の終わり間際に、酒の匂いをさせて帰ってきて、
「おお、できたか。できたか。よっしゃー、今日は終わり。」
当時としては、素晴らしいビジネスプロセスですね。

それでも、気の優しそうなチョンガー先生で、童子も従兄も、
家に居るよりか、何故か気が安まったものでした。
童子の親父も従兄の親父も大酒飲みで、しかも遊び好きで、
家庭ではなにかと、いざこざが多かったものです。(T_T)

月謝も安かったでしょうが、塾としての意味はまるでありませんでした。
それでも、小学校5年・6年と2年通ったような記憶があります。

その後、童子が高校を出る時も先生は独り身だったようです。
今思えば、その先生がずっと独身であったのは、やはり訳があったようです。
というのも、飛切シャイな性格ながら、至って大酒飲みで、
しかも、かなり酒癖が悪かったみたいです。

童子の実家は、小学校の裏と敷地が繋がっており、
芝の垣根の隙間から、自宅の裏庭に出入りが出来ておりました。
ときどき夜の九時くらいに、学校の宿直室の辺りから、
大きな酔っぱらったような声が聞こえてきて、親父が裏庭に出てみると、
彼の先生が酒びん片手にフラフラさ迷っているのを幾度か目撃しております。

当時の田舎町。親父やおじきも飲んだくれてた時代。
先生の素面の時の人柄が良かったので、大目に見られていたのでしょう。

また、童子の母親が先生の下宿に月謝を持っていったときに、
真っ赤になって照れていたと話していたのを今でも思いだします。
「シャイな先生だこと。ほほほ。
(といった都会的上流階級の言葉使いなどでは、決してありませんが。そういうイメージ)」
母は当時は結構美人であったようです。(親父に言わせると)

また、先生は、学校から下宿の二階に戻って来たときに、
やたらに足が臭くて、生徒一同、閉口してた事を思い出しました。Σ(゚д゚;)
酒臭い。足も臭い。風貌は冴えない。照れ屋だが酒グセは悪い。
スーツは鼠色と思われる安物っぽいよれよれの着たきり雀。

これでは、奥さんはなかなか現れないなあ、と
童子は子供心ながらに感じ取り、先生の行く末を心配していたものです。

先生は、飲み過ぎ状態で授業もよく休んでいたようです。
また、親父の言によれば、酒にまつわる事件もあったようです。

現世であれば、教育なんたら法違反なんかで、訳のわからない
杓子定規な教育委員会にとっくに追放されていたでしょう。
もしくは、ませくれたガキどもの(失言、生徒達の)LINEなんかの餌食になって、
2CHなんかのSNSメディアに晒し物になっていたかも知れません。(゚皿゚メ)


そんな先生でも、ああ、あのアル中先生は、今どうされているのかな。
先生と同じ病だけを、唯一教わって(?)しまったんだなあ。
と、なつかしい昭和の時代の情景と重なり合った、
ノスタルジックな思いが、ふと込み上げてきたのでした。(´・ω・`)

先生。やっぱりあのまま不遇な人生で終わったのかなあ。。。
やっ!人ごとではなかったね!(; ̄Д ̄)


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