2014年01月29日

数年前のことである。
童子は酔っ払って、上海で二度公安(警察のこと)のパトカーを呼んだことがある。
断っておきますが、呼ばれたのではなく、呼んだのでありますぞ。( ̄▽ ̄;)

その一度目の話です。
その晩も、仕事帰りに友人達と日本人向けのスナックで管を巻いており
12時くらいにホテルに辿り着きました。
ホテルは、当時の定宿で、虹橋路にある、すこし古いが、
国際コンベンションも開催されるほどの由緒あるホテルでありました。

しかし、そんなホテルにもかかわらず、
数日前から、夜遅く訳のわからない(訳はわかっているが)電話があり、
前夜も遅い電話で起こされ、やたら眠く不機嫌でありました。

フロントでキーを受け取り、宿泊している部屋に戻ります。
ドアを開けたとたんに、部屋の電話が鳴り始めた。
受話器を上げる。
「もしもし。こんばんわ。フルーツはいかがですか?」
「buyao(不要)。No thank you!」
ガシャリと受話器を切る。

その瞬間、童子の頭の中でプツリと脈絡したものがありました。
こいつら、つるんでやがる!(`・д・´)

スケベそうな?日本人(欧米人も?)がホテルに戻ってきたら、
すかさず、フロントの誰かから部屋番号を売春組織の連絡役に通知する。
連絡役は、部屋に着く時間を見計らいターゲットの部屋に電話する。
売春組織はホテルの近くか、ホテル内の何所かに居る。
そうに違いない。絶対そうだ!

童子の頭の中で、数日前からのタイミングの良い電話が全て結びついた。
と同時に、ホテル内の密通者に凄まじい怒りが込み上げて来た。
酒が随分と入っているから、たちまち熱血漢の出来上がりである。(#`皿´) ムキーーーー!
足は大股で躊躇わずにフロントに向かう。

フロントに男性従業員が3名プラプラしていた。
当然、全員中国人である。このホテルには唯一いる、
女性の日本人スタッフは見当たらない。
時間も遅いから既に帰宅したのであろう。

童子は、従業員の一人を捕まえて、
「おまえら売春組織に部屋番号を教えたろう。」
つたない英語で確認する。
勿論、とぼけた顔で何をいってるか解らない、という風に相手にもしない。

その態度に熱血漢に変身してしまった童子は切れてしまいます。(゚皿゚メ)
ホテルのフロントデスクに持っていたキーのフォールダーを叩きつけた。
驚くほど大きい音がし、従業員は血相を変える。

「警察を呼べ!(日本語)」通じない。
「Call the police!」
相手にもする気配はない。
「Call your manager! CALL THE POLICE!」
叫びながらデスクをガンガンと叩き続ける。

ホテルに戻ってきた欧米人の中年夫妻が、
変なジャップが何か叫んでるぞ、とでも言いたげに、
横目で童子を一瞥しキーを受け取ると、
大袈裟なジェスチャーをして、足早に部屋に戻っていく。

ようやく夜間のマネージャーらしき中国人が出てきた。
童子は無言でフロントの受話器を取り上げ、マネージャーの口元に差出して、一言
「Call the police.」  (うむ、我ながらカッコイイ(☆゚∀゚))

待つこと20分あまり。
結構早くパトカーが到着した。しかも、2台もやって来て、
ホテルのエントランスの、ど真ん前に駐車した。

ありゃー。やり過ぎたかな。(≡ω≡.)
6名くらいの警察官が降りてきた。
うち1名は、うら若い女性である。
フロントに行き、マネージャーやスタッフと話をしている。

暫くして、ロビーに座っている童子の処に、警察官達が来て取り囲む。
ひょっとして、童子が犯罪者扱いにされているのでは、
と酔っ払っている状況の悪さが頭を過る。
女性警察官が、童子に質問してきた。
英語である。国際犯罪任務の公安スタッフらしい。

童子は酔いが廻って上手く英語で受け答えできない。
ほんとは、英語がプアなだけなのだが、輪をかけて要領得ない。

女性警察官は諦めた素振りで、マネージャーに何か話す。
そうこうしてると、ホテルの日本人女性スタッフが駆けつけて来た。
もう寝ようとしていたのに呼び出されたのか、
明らかに、昼間の愛想の良い笑顔はぶっ飛んでいた。
童子は一部始終の顛末を彼女に話し、警察官に中国語で通訳してもらう。

小一時間ばかりして、調書をまとめあげたらしく、警察官らは腰を上げた。
パトカーの1台目は立ち去って行きました。

残った、習近平よりもっとヤクザ顔の公安のボスらしき人が、童子に喋りかけに来ました。
酒臭い童子を相手にしているにもかかわらず、非常に紳士的な様子でした。
童子は逆に自分が犯罪者のような気になってきて、却って恐縮してしまいました。

ホテルの女性スタッフが「結局、そういう確証はありません。」と通訳する。
最後にボスは童子に手を差出し、両手で童子の右手を握りしめ、
「謝謝(シェイシェイ)」と言って帰っていったのです。


その翌日から、童子の部屋には、
フルーツはいらないかなどという電話は一切かかって来なくなりました。
そして、その代わりに、毎晩仕事から戻れば、
部屋には立派なウエルカムフルーツが置かれておりました。

アルコホーリックでも清廉潔白たる童子の一件でした。(・◇・)ゞ

(続く)


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ctxt0475ctxt0475 at 21:05│コメント(4)トラックバック(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by puppy   2014年01月30日 00:04
待ってました!童子さんのブログ。
日本人スタッフが常駐しているような高級ホテルでもこんなことが行われている(だろう)ことに驚きです。
続き楽しみにしています。
2. Posted by 昼の月   2014年01月30日 15:52
上海パトカー騒動(1)ということは、
次回作もあるのですね…。
わくわくして待っています。

そうですか?フルーツって、そんな意味だったのですね。

ただ、単に、童子さんが果物嫌いなのかと
思ってしまいました(笑)。

でも、それならば「フルーツ」よりも「スイーツ」の方が、しっくりきますね。
3. Posted by 酒呑童子   2014年02月01日 06:37
puppyさん
おはようございます。(日本では)
アジアのホテルは、シェラトンやヒルトンなどの
欧米系5星ホテルでないかぎり、
多かれ少なかれ色んな事はありそうです。

そろそろ転倒して負った膝の掠り傷の
かさぶたも完治しましたので、
また今日くらいから、ジョギング開始です!
4. Posted by 酒呑童子   2014年02月01日 06:42
昼の月さん
なるほど、「スイーツ」ですか。
酒ばかり飲んでた頃は、辛口で、
スイーツもフルーツも口にしなかったのですが、
断酒した以降、
スイーツもフルーツも大好物になりました。
「そんな意味」ではないですよ!(笑)

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