2013年06月07日

(前回からの続きです)

陸(おか)に上がれば、もうこちらの手の内である。

早速、昼食を取りながら乾杯が始まる。(下戸の1名を除いて)
実は、メンバーの一人だけが、坊主(収穫ゼロ)だったのだが、
酔っ払いの船頭さんから、そういう事もあろうかと、
船の生簀に泳がせてあった、真鯛をプレゼントされた。
これが、一番の上物であった。

うだうだしながら、家に着けば既に日は落ちている。
これからが大変なのである。

当時の妻は魚など捌けない。
魚のハラワタやエラや、生臭さが気持ちわるい。
魚の名前も解らない。二枚下し、三枚下ろしどころではない。
最近は、もっとこういう女性は増えているでしょうね。

だから、釣りを志すもの、自ら捌けなくてはならない。
童子は自己流であったが、料理本を紐解いて研究を重ねたもんだ。
この時は、いさきと大ぶりのサバの数匹であったので、そう時間は掛からなかったが、
武庫川の河口の一文字に行った時などは、小ぶりだが、サジキで入れ喰いの状態で、
20L程のクーラー満杯、小サバ、小アジで、130匹以上もあった。
それでも、クーラーに入りきらなくて、小ぶりの物は捨ててきた記憶がある。

これを、一人で捌くのである。
当然、ビールを飲みながら、捌きつつ、最初は刺身で頂く。
刃物を扱うので、流石に強い酒は控えていた。
まかり間違えば、童子の指の刺身ができてしまう。

あとの子アジは、エラと内臓を抜いて、セイゴを削り落とし、片栗粉をまぶして油で揚げる。
三杯酢に玉ねぎスライスを散らしせば、南蛮漬けの出来上がりである。
ポイントは、2度揚げすること。骨も全て食される。
これが、冷蔵庫で1日も経てば、最高の酒の肴になるのである。

サバは、3枚下しにして、ミンチボールに加工して冷凍保存。

自分が釣った新鮮な魚は旨い。酒が進む。

ただ、これほどの数を捌きあげるには、さほど手慣れてない童子では、
充分日付が変わるほどかかる作業なのだ。

しかし、こんな事が出来てたのは、まだ依存症の初期段階だからである。
そのうちに、釣りも面倒になり、せいぜいスーパーの不味い刺身をつつきながら、
もしくは、それも面倒で、買い込んだサバ缶などをあてに、
ひたすら酒を煽る生活へ落ちていくのである。

以前に、アルコール依存症者の趣味という記事を書いたが、
童子の場合は、趣味から遠ざかるのと、正に反比例して、
依存症の度合はどんどんと深みを増して行ったようだ。

童子も、いずれ、ゆとりができたら、
また、ゆっくりと太公望と洒落込むかなあ。

太公望?・・・アカン!(゚皿゚メ)


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ctxt0475ctxt0475 at 09:52│コメント(0)トラックバック(0)

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