2013年04月01日

-(2)からの続きです。-

再び眠りにつき、麻酔からも酔いからも醒めて気がつくと、
利き腕は強固な大リーガー養成ギブス(古いなあ。)で固定されていた。
ただ、何かおかしい。何か、感覚が奇妙だ。恐る恐る利き腕を動かそうとする。
なっ、なんと!指が動かない!5本とも!(((( ;゚д゚)))

医師は、「神経はなんとか切断は免れているが、脱臼骨折時に圧迫損傷している。
うまくすれば、数日で繋がるケースが多い」との弁。
しかし、1か月半経過して退院するまで、指はピくリともしなかった。
さすがに病院では、飲まなかった。人生飲み始めてからの最長不倒記録。

毎週リハビリに通い、電気ショック療法などするのだが、変化なし。
神経系統の口コミなどを頼り、藁をもすがる思いで、大阪の国立病院などにも診察に出向く。
神経は1日1ミリの速度で回復していくが、指の筋が使わないと半年で死んでしまい、
そうなると筋の移植手術でないと回復の可能性はないという。
とにかく今はリハビリを続けるしかないとのこと。

骨折した肩の部位から、人並み外れて長い腕の末端まで測れば、
なんと1メートル程はあるではないか。
ということは、1000ミリで1日1ミリだから、えーと、えーと、えっ、3年。
ダメじゃん。。゜(´Д`)゜。

利き腕の指5本が動かないことが、これほど不自由だとは思わなかった。
パンツを脱ぐ、履く。シャツのボタン。トイレ。飯。ネクタイなど締めようもない。
勿論、字も書ける筈もなく、仕方なしにサウスポーで練習すれど、幼稚園児以下。お猿のレベル。
残念なことに、僅かに酒を飲むことだけは、そう不自由はしなかった。

リハビリすれど、回復の兆しは全くない。
半分自暴自棄にもなる。また飲み始める。

大量飲酒定番の下痢になり、ある日、通勤途上で催した。
なんとかトイレに辿り着くも、素早くズボンの下しができなくて、
タイムアウト。万事休す。。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン
なんとも情けなくなり、出勤を放棄し、また自棄酒。(どうやって帰宅したかは秘密)

ところが、神(この言葉を使うのは嫌いなのだが、苦しいときのみ拝借)は
見捨てたものではない。
半年後のある夜。酔っ払って風呂に入ろうとした時、酔いでふらついて浴室のタイルで滑った。
もろに頭から浴槽に突っ込むぞ!危ない!と、その瞬間。とっさに浴槽の縁を掴んでいた。
なんと、利き腕の5本の指で。

火事場で寝たきりの老婆が箪笥を背負って云々、
という馬鹿にしてた話などが、現実味を帯びて蘇る。
奇跡みたいなことは本当に、あるもんですなあ。

酔っ払っていなかったら、回復のチャンスは巡って来なかったかも知れない。
などと、その時は、神でなく酒に感謝した。
しかし、よくよく考えてみれば、酒がなかったら、こんな事故も怪我もなかったのだ。。。

アホな奴。。。(; ̄Д ̄)



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ctxt0475ctxt0475 at 13:20│コメント(0)トラックバック(0)

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