2021年07月

2021年07月31日

コロナも一向に衰えるどころか、毎日記録更新してますが、
少し前までは、豪雨が世界中の至る所で被害を発生させていました。

熱海の土砂崩れも相当なものでしたが、
中国でもダムが決壊したり、地下鉄に洪水が流れ込み、
乗客が閉じ込められている動画を見ていると、
本当に自然のエネルギーの凄まじさを思い知らされます。


十数年前、上海に居た頃のことを思い出していました。
季節は真夏を過ぎたあたり。時間は、午後4時くらい。
北京西路と烏魯木斉路という道路が交わる所に位置する、
上海の有名な寺院である静安寺に近いオフィスビル。

その日の仕事は早目に片付いてしまって、
取引先の会社があったオフィスビルの7階のベランダで
中国産の安い煙草を燻らせながら、眼下の景観を眺めていた。

ふと目を凝らせば、遥か数キロも離れた西方の空に
黒いシミのような物が発生しているのが見て取れた。
そいつは、急に吹き始めた生温かくて強い西風に乗って、
見る見ると、こちらに向かって接近してくる様子だった。

シミかと思いき塊が、どんどん渦巻きながら大きくなって、
真っ黒な雲の塊に変身して空を覆ってきたのである。
水を張ったガラスの器に墨汁を垂らして行くのを、
器の下の底側から見ている様な感じなのである。
日本では見たこともない不気味な漆黒の雲塊が
空一面に巨大な広がりを拡張しながら向かってくる。
あまりにも禍々しく不吉な雲の真っ黒さに、
ベランダに出て居た会社員達は騒乱状態になっていた。

『インディペンダント・デイ』か何かのアメリカのSF映画に、
このようなシーンがあったなあと、その時思った。
誇張ではなく此の世の終わりを彷彿とさせるような情景。

そいつが、いよいよビルの上空に届こうとする時、
普段はニコニコ顔の取引先の社長が険しい表情で現れて、
「酒呑童子さん!早くホテルに帰った方がいい!」と指示された。

あわてて、エレベーターで1階に降りて見ると、既にばらばらと大粒の雨が。
まだ4時なのに辺りは急に暗くなっていた。
急いで交差点に向かい、タクシーを拾おうとした。
どんどんどんどん雨足は強くなっていく。

しかし、タクシーは走っているものの空車が全くないのである。
30分待てど、1時間待てど、一向に拾えない。
その間に、更に雨は酷く滝が打ち付けるような勢いに。

とっ!道路の排水路に吸収されていた水が逆流してきたのだ。
みるみる水嵩が増えて、靴の中にも入ってぐしょぐしょの状態。
ぐんぐん水位が上がる。ヤバイ、これはヤバイと焦る。(; ̄Д ̄)

辺りを見回せば、近くのバス停のプラスチック椅子に数人立っているではないか。
足を濁流に取られながらもバス停に辿り着き、童子も椅子の上に立った。
文字通りの土砂降りが酷くなって、傘を持ってる意味合いもなくなってきた。

水嵩は、椅子の座席部分をも脅かす高さになって来て、
ああ、どうしようと心細くなっていく。
隣の椅子の上のずぶぬれの兄ちゃんが笑いながら中国語で話しかけて来るが、
何を言っているかチンプンカンプン。笑って答える。(日本人の習性(´・ω・`))

ああ、流されるかも知れないなあと思いながらも、
何故か腹をくくった気分になった時、ふと無性に呑みたくなったのだ。
朝、取引先の社長から贈答された白酒の小瓶がカバンにあるのを思い出した。
このまま土左衛門になる前の人生最後の盃だとばかり、キャップを取って煽った。

となりの兄ちゃんが、びっくりした目を向けているのに気づき、
酒を勧める動作をしたが、多分呆れて断られたようだったので、
童子は、「没問題(大丈夫だよ)」と僅かに知ってる単語を放ってやった。 (´▽`)

おおよそビルを出て1時間半位たって、水が引き始めた。
その時、どこからか現れた1台の空のタクシーが交差点近くに止まったのだ。
他の方向から数名走ってくる客が見えたが、負けては居られない。
靴が全部水に浸かっているのも気にせず、タクシーに向かってダッシュした。


話は、もう少し前に戻るが、最初に中国に出張した時の事。
午前の仕事が立て込み昼飯の時間が取れず、上海のマクドナルドに入った。

カウンターに行き、中国語は話せないので、メニュー表を指差して注文しようとするが、
横から現地人が、すっと侵入して来て、先に注文してしまうのだ。

それを譲って、さあ注文しようとすると、こんどは左脇から別の客が割り込み、
それが終わって、さあと思えば、今度は右から別の客が、というループ状態。

カウンターの最前列に居ながら、これでは永久に注文できないなと思案に暮れていたら、
トイレに行っていた中国人の現地社員が戻って来た。

「それじゃあ、中国では一生ハンバーガーは買えないね!」
と言いながら、すっと前に割り込み、私の注文も一緒に買ってもらった。
その時に思ったのだ、悠長な事では、この国では暮らせない。
プライドも何もかなぐり捨て、人を押しのけて我先にと猪突猛進しないと生き残れない。


その時のリベンジだ。1台のタクシーに向かって猛突進である。
多分、名古屋場所千秋楽の白鵬よりも必死の形相をしていたかもしれない。
タッチの差で駆け込んで来る他の客を制して、タクシーのドアを開けて滑り込む。
やった~!名古屋場所の優勝決定戦で照ノ富士に勝った直後の白鵬のように、
雄叫びとガッツポーズを取ったかどうかは記憶していない。

(童子は特段、相撲ファンではないのですが、確か2週間ほど前に、
 ジムでジョギングしていて、たまたまTVに放映されてた相撲中継を見て、
 モンゴル人相撲力士の日本人にない勝負の執念に感嘆したのを思い出した。)

しかし、タクシーに乗ったはよいが、西安西路の下道を通るのだが、
上の高速の道路からの滝のような放流によって、なかなか思うように進めないのだ。
15分の所を1時間かけて、ホテルにたどり着き、
もう1本残っていた白酒の瓶を流し込み、ベッドに倒れ込んだのでした。

後日、白酒をもらった帰宅を指示された取引先の社長に、
上海では、そんな気候がしょっちゅうあるのかと聞けば、
彼も、あんな不吉な雲は見た事がないと話していた。


近年、こういうびっくりするような気候が増えているのではないだろうか。
人類は文明の名のもと、無節操に陸海空の自然破壊を重ねて来たお陰で、
生命体としての”地球”から、天変地異という名の仕打ちを受けているのかもね。
と、今回は地球科学者としての立場で酒呑童子は呟くのでありました。

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