2018年08月

2018年08月15日

北海道の大地では、まだ8月とはいえ下旬になると
野宿ができない状況であると始めて悟った童子達は、
次の日、フェリーで出会った北海道の若者の家に電話を入れてみた。

彼は、舞鶴からのフェリーでの三等客室の同じ部屋
(というより区画)で出会った青年である。


話は旅の出発日に遡る。
童子と友人は、初めてのフェリー旅という事で幾分高揚していた。(^∀^)
甲板での彷徨にも飽きたところで、客室に戻り早速宴を開いたのだ。

そう混んでもいなかったので、部屋(区画)の一隅に陣取って、
安酒で多少酔っ払った二人は、次第に大声で喋っていたらしい。

突然、区画の反対側の隅の方から、
「少し静かに出来ないかい!」
と注意するはっきりとした男の声。

アルコールが入った童子様御一行の喧騒さに我慢しきれず、
仕方なくクレームを入れたという感じであり、
決して喧嘩を売るような雰囲気ではなかった。

が、しかし、童子よりも早く酔いが回っていて、
しかも童子と同じくらい酒癖の悪い友人が、
「なんやと~!」と甲高く、一声を発したのだ。(゚皿゚メ)

シーンとした静けさ。
却って不気味な時間の間。
童子達は、声のした方向を恐る恐る振り返った。φ(.. )

反対側の隅に、長々と一人の男が寝そべっていた。
両手に書物を持った状態で、ゆっくりと上半身を起こしながら、
童子たちを睨みつけていた。

半袖からはみ出た腕のレスラーの如き太さが目に留まる。
身長も多分185cm程はありそうだ。筋骨隆々たる大男。

顔付はといえば、猪木と吉田栄作を7:3の割合で混ぜて、
更に額から眼窪と頬骨にかけて、フランケンシュタインを
30%程配合したような怪人であった。(どんな顔じゃ?)

やばい!勝てる相手ではない雰囲気を咄嗟に感じた。(- -;)
当時の童子は背こそあれど、野良犬のように痩せ細った体躯。
懸垂の1回もできないほどの非力な腕力。金もない。( ・Д・)

友人も博多生まれの九州男児の向こう意気だけで、
とっちゃん坊や風の短躯で肥満。運動神経は限りなくゼロに近い。
50m走も11秒を切った事もなく、毎回ゴールでは倒れ込んで吐く始末。

そういうコンビにとっては、既に勝負は付いていた。
どうあがいても勝ち目はない。

しかし、友人も童子も変わり身は早いのである。
勝てない試合はやらない。処世術には長けていた(?)。

友人は直ちに懐柔策に変貌して、
「いやはや、読書しておられたところを申し訳ない。
 なんでしたら、一杯どうですか。」
と、二人で飲んでいたトリスの安酒を勧めた。


聞けば、北海道出身者で、高校を出てから、
北海道の実家の農業を手伝っているのだが、
夏の数ヶ月は農作業が暇で、自動車工場の期間労働者として
出稼ぎに来ていて、給料をもらって実家にかえる途上だった。

年齢も童子達と変わらず、思いの外、話が弾んで、
台風が接近するまでの合間、語り合ったのである。
童子達の北海道横断旅行の話を聞いて、
もし近くに来るならと、電話番号を教えてもらっていたのである。

実は、彼からは野宿は厳しいよ、って言われてたのだが・・・(´・ω・`)
そういう経緯で、電話をすれば、たちまち快託の返事。
夕食も振る舞って、一晩泊めてくれるとの事。

住所を頼りに、若き怪人フランケンの家を探すが、ナビもない時代の事。
当時の道路地図帳ごときでは、北海道では、なかなか辿り着けないのである。
道を聞こうにも、民家もまばらな地方。

公衆電話を見つけては、何度も電話連絡を取りながら、
ようやく二三時間かけてランデブー場所が設定できたのだった。
迎えに来てくれた怪人のトラックに随行して彼の家に向かう途中、
近くに運営するりんご園があるというので案内された。

広大なりんご園。へー、北海道でも林檎が取れるのか。
怪人フランケンから、樹から摘いだ熟れて真っ赤になった林檎を差し出された。
一口噛むと、びっくりするくらい濃厚な甘い果汁が喉に流れ込んだ。

なんだこの旨さ。このジューシーさは。これが林檎の味だろうか?w(゚o゚)w
今まで体験した事のなかった、樹で熟れた林檎の味。
今でも、あの時の旨さと感動の記憶が思い出されるのだ。

また、怪人フランケンの家に招き入れられて、
夕飯に御馳走になった、北海道のジンギスカンの旨さも格別であった。

食後には、近所の若者の仲間が集まってきて酒盛りとなった。
近所とはいっても、隣の家は1Kmは離れているらしかった。
そんなこんなで、その夜は更けて行きました。
めでたしめでたし。

その後は、空いているユースホステルや安宿を探しながら、
ギリギリの予算での北海道の横断の道中は続くのであったが、
最後にとんでもない落とし穴が待ち構えていたのである。(((( ;゚д゚)))
(続く)

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