2018年01月

2018年01月30日

去年のニュースになりますが、
タイで観光客4人がマイクロバスで移動中に、運転手の居眠りが原因で
トラックに追突し命を落とされたという事故がありました。
昨日、仕事関係の知人との会話中、タイの交通事情が話題となり、
件のニュースと、以前仕事でタイに行った時の記憶が急に蘇って来たのです。

相当以前に勤めていた会社での出張時の出来事です。
何の仕事で行ったのかも、良く覚えておりません。
多分、マレーシア工場での仕事の帰りに、
タイ工場でも見学して帰るかって、いう感じで立ち寄ったような気もします。

その時の工場の社用車を運転していたのが、タイ人の男性従業員。
歳の頃40過ぎ。茫洋としいるけれど、とても温和な感じで、されど、
日中は仕事もせず、背を丸めて守衛室前の椅子に腰掛け、時折守衛と話す程度で、
大体は、うつらうつら状態で過ごしてるのを目にしてました。

ところがです。
日本人来訪者が帰社する時刻になると、社用車を回して来るのですが、
運転席から降りてきた彼は、人が変わったようにピシッと背筋も伸び、
別人かと見間違うほど、精悍な面持ちの男に変身しているのです。(・∀・)

人は見かけに寄らないなあ。
仕事になれば、真剣になるのだなあ、
と思いきや、それだけでは済まない事が、数分後に解りました。

会社の所在する工業団地前の焼き鳥屋台などが犇くぬかるみ状態の狭い道路から、
幹線道路といっても、路肩のアスファルトも欠けているような郊外の大道路に出るや、
突然のアクセルで、後部座席に乗った童子と同僚は後ろにのけぞるほどの急発進。( ・Д・)

えらく荒い運転だな、と思ったのもつかぬ間、
無口のタイ人運転手はドンドンとスピードを上げてゆく。
しかも、車線を目まぐるしく変化させて前の車を追い抜き始めた。

隣を見れば、それまで無駄口を叩いていた同僚は、
口数もなくなり固まった状態で足を踏ん張っているではないか。
(人の事は言えないのであるが・・・)

童子も流石に怖くなって、助手席に乗っている現地法人の
日本人製造部長である、二谷英明風のNさんに尋ねました。
「ここは、高速道路じゃあないですよね。
 タイでは、スピード制限は、ないのですか?」

「いや、そんなことはないけれど、
 この男はハンドルを握らせると人格が変わるんだよ。」
(ええ~っ!そんなの運転手で雇っていいのかよ!(`□´))

二谷英明さんは、ニ言三言、タイ語で運転手に話しかけた。
スピードを落とすように警告してくれたのだろう。
瞬間、アクセルを踏む力が緩んだ様に感じたが、
それもニ三分後には元の状態に戻っていた。( ・Д・)

二谷英明さんは、ダンディに紫煙を燻らせながら、
「この男は、スピードを緩めろといってもダメなんだよね。」
と、諦め顔で車窓を眺めるだけ。


運転手は一言も喋らずに黙りこくってしまい、
レーシングゲームに熱中している子供のように、
否、何かに憑りつかれた中年男の如く、ハンドルを握る。

右へ左へと、次々と追い抜きを掛けてゆくのに、
前方に付けている車との車間距離が短すぎて、
後部座席からは、前の車の後輪が見えない位なのです。

それでも、カーチェイスのようなハンドルさばきで、
ゾンビのF1レーサーのような物体に化した男に運命を委ね、
猛スピードでバンコク市内のタニヤに向かうのでした。

童子と同僚は黙りこくって、昨夜のパッポンでの深酒の影響か、
仕事が終わってから睡魔に襲われそうになっていた気分は、
一気に吹っ飛んでしまって、全力で足を踏ん張るのみでありました。(TДT)


今、思い出せば、確かにあんなスピードの運転で、
ニュースにあったような居眠りでも突然されようものなら、
そりゃあ全員死亡する大事故になるもんだと、
あの時の恐怖感が数十年ぶりに、蘇ってくるのでありました。φ(.. )

(タイ編は続きます。できるだけ早く書きますね。)

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