2019年07月31日

タイトルに、”アル中の友人”などと書いたものの、
実は、生まれてこの方、童子の長い人生の中で、
友人として、”アル中”に恵まれた(?)事はないのだ。φ(.. )

「酒も飲めない輩は男ではない!」という、
時代錯誤甚だしい偏向美学に裏打ちされていた童子は、
下戸の男とは付き合いを避ける傾向にあったので、
周りは当然酒飲み連中だらけ。しかも大酒飲みが多勢を占めていた。

しかし、今になって、周りに居た酒飲み仲間を見渡せば、
不思議と理性的な飲み方を諸氏は心得ていた事に気づく。
童子のような、酒に溺れる手合は見当たらないのだ。

酒が入れば大騒ぎでメートルが上がったり、
たまには、喧嘩っぱやい者は、当然何人かは居たものの、
酒の場で許される程度の輩であって、病的な酒とは異なっていた。
不思議なことに、”純正”アル中の友人は居なかったのだ。

「類は友を呼ぶ」というけれど、ことアル中に関しては、
この格言は成り立たないのではなかろうか。
などと、俄に文化人類学者になった童子は思惟するのである。(´・ω・`)

しかしながら、友人仲間ではなく、もう少し領域を広げて、
仕事なり何なりで関係があった知人というラインで見渡せば、
(勿論、祖父親父といった童子の血筋は除いて)、
おっと、居るには居ましたね。(; ̄Д ̄)

大分と以前に勤めていた会社の組織上での上の上。
M氏という、重役であった御仁。
生活を支える上で、やむなく上下関係があったのであって、
自ら進んで付き合いをもった関係ではない。

いたって小柄な男だったが、声だけは人一倍大きくて
40代半ばで、重役まで上り詰めた、
一時は飛ぶ鳥を落とすような勢いがあったが、
酒の評判は、すこぶる悪かったのだ。

若き頃に、阪急電車京都線のとある駅で、
酔った勢いで、プラットフォームから線路上に降りて、
両手を翳して列車を急停車させた事で名を上げた。(*゚o゚*)

或いは、出張先の中国地方のとある田舎町のホテルで、
泥酔の挙げ句、消火器を持ち出し廊下の絨毯にぶちまけて、
ホテルから会社へ損害賠償が来た。とか。

宴会の帰りに、路脇に違反駐車している外車に立腹し、
無人と思ってボンネットを音が出るほど叩いたら、
ヤクザが白刃を抜いて車の中から出てきて、
打首にはならなかったが、恐怖でちびってしまった。とか。

夜中に飲み歩いて帰宅した時に門塀の鍵が開かず、
自宅のフェンスを乗り越えようとして落下して足を骨折。
歳行ってからは、酒にも回りが早くなって足腰に来たのか、
自宅の風呂で滑って再び足首を骨折した。とか。

とかとか、その手の武勇伝には事欠かない人物であった。
しかし、流石に重役までいくと童子よりスケールの違う
アル中であったのだ。(・・・とも言えないかなあ。。。φ(.. ))

そういう御仁で、若くして重役に上り詰めるだけあって、
アクの強い、とても紳士とはいえない無骨な振る舞いで、
怒鳴る声の大きさも尋常ではないので、
下にいる部下達は戦々恐々としていたものだ。

童子とは、担当部門が異なり、直接の仕事上の関係はなかったが、
案件によっては、会議同席の場も何回かはあった。
童子の良くない噂でも耳にしていたのか、顔を合わせれば、
「悪の権化の酒呑童子(勿論本名)が来た。」とか
「酒呑童子くん。まだ生きていたのか。」などと、
とんでもない雑言を浴びせられたものだ。(´・ω・`)

しかし、数年後、酒での大失敗があったのか、
M氏は会社の看板部門から外され、
童子の所属部署の直属担当役員に転向してからは、
童子との仕事上での接点が出来たのだが。。。

大きい案件については、M氏の了解を取りに伺う必要があった。
朝早く、前日の深酒の頭痛に堪えて赴くのだが、M氏の役員室に入るや、
あきらかに童子のそれとは異なるアルコール臭が漂っているのだ。

当時は童子のアル中もピークにもう少しで届く段階で、
大酒は毎日の状態であり、童子も朝の酒の匂いは気になっていたが、
M氏のそれと相殺されているようで、助かったと思ったものだ。

M氏も、流石に前夜の深酒の影響具合が気になるのか、
何時赴いても、ボリボリとフリスコを頬張っていた。
そう云う童子も役員室に入る前に噛み砕いていたのだが。( ・Д・)

不思議なことに、M氏は童子の直属の上司になると、
従来のとんでもない罵声雑言の類は鳴りを潜め、
童子には、却って温和なイメージすら感じられたのだった。
同じ病の身である事を本能的に感じ取ったのかもしれない。(≡ω≡.)

また、そうこうしている内に、
やはり、M氏の酒のトラブルは断ち切れなかったのであろうか、
いよいよ本社から飛ばされて、九州最南の子会社の社長へ左遷されたのだ。

しかし、バブルも弾けて、その子会社も業績悪化で閉鎖となり、
知らぬ内に、M氏の所在も会社の名簿から消え失せていた。
そうして、M氏の後を追うように、
童子も会社の名簿から名を滅すのもそう遠くはなかった。

アル中の末路とは所詮そんなもので、人間関係の醸成などには至らない。
彼も断酒修業に成功して、未だ何処かで生きているのかしらん、と、
ふと感傷に囚われて、アル中とは孤独な生き物だなあと呟く童子が居た。φ(.. )

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